ホテル撮影|残業のあと「帰りは聞かないで」
架空の成人短編。靴は玄関、カーテンは半分。名札をナイトテーブルに置いて、二灯目はつけない。
ストーリーノート:二人で予約したホテルの夜
メイは三十二歳、ハオは三十四歳。同棲している大人二人で、このホテルの夜は二週間前から共有の予定に入っていた。退勤後、彼女は部屋番号を送り、帰りかどうかは聞かないで、と書いた。残ることは二人で決めてあった。どちらもこの夜をしたいと言い、一言で止めていいと先に約束している。
舞台は夜のシティホテル。ヒールはドアの脇、カーテンはガラスの半分。社員証をナイトテーブルに置き、二人で決めた通り二灯目はつけない。通りの車が窓の下を通る。声を落とすのは、互いの声を聞くためで、誰かを計画から外したからではない。小さなカメラを椅子に一緒に据え、録画のボタンは彼女が押す。
このページの公開カットは約二分で、拍はすべて零分から二分のあいだにある。気分は温かく、静かで、率直だ。二十秒でヒールを蹴り、彼がいいと言うまで待つ。五十秒で社員証を置き、ランプはこのままでいいかと聞く。一分十五秒でベッドに上がり、速さを自分で指定し、止めていいと繰り返す。一分四十秒、クラクションに笑って、カットが終わるまでフレームにいたいと言う。二分が閉じると、彼女が録画を止める。
退房の前に椅子をテーブルへ戻し、カーテンを閉じる。メイはもう一度この部屋がほしいと言う。ただし開始のボタンは自分の手に残す。ハオは社員証が落ちる瞬間をもう一度見たいと言う。どの一秒でも止めていい。二分のカットは夜から選んだ一段で、カードに印字された長い時間には合わせない。車はまだ通り、靴を履いて、並んでエレベーターへ向かう。
- 公開ライブラリ
- リビングの灯はついたまま。隣がノックしてくる。
- 初めて自分でカメラを据えて、笑って枕に顔を埋めた。
- 赤いドレス|向かいの席で夫が煙草を吸う
- 曇った鏡を手で拭いて、あなたを見る。
- 夜のアポ|ドアの前で指輪をバッグへ
- 唇に指を当てて「声を出さないで」
- ウェディングドレスを着たまま「これからあなたのもの」
- クラブ残業、灯は一つ。名札を放る。
- オフィスの灯は一つ。シャツをほどいて机に座る。
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