オフィスの灯は一つ。シャツをほどいて机に座る。

架空。蛍光灯は半分。かかとが肘かけに。エレベーターが鳴っても止まない。

ストーリーノート:オフィスに残るのは、二人で残した灯

スイは三十三歳、マークは三十六歳。同じオフィスの同僚で、どちらも三十を超えている。今夜残ることは火曜に二人の予定へ書いた。誰かを建物の最後に不意に残したのではない。天井灯を半分消したのは眩しいからで、デスクの灯を一つ残した。シャツをほどいて机に座る前に、彼女は聞く。ドアは内側から鎖がかっている、まだしたい? 彼はいいと言う。かかとが肘かけに乗るのは、そうしていいかと聞き、彼がほしいと言ったからだ。

エレベーターが鳴るのは、夜の清掃が袋を集めに来たからだ。午後に二人が残したメモには、指定の時刻までこの部屋へ入らないと書いてある。清掃はこの灯の仲間ではない。マークはエレベーターの音で一度止まりたいと言う。スイは止まり、まだ続けたいと言うまで待つ。二人ともしらふで、コーヒーは冷めている。ボタンを一つ外すごとに、彼女は彼を見る。

十五秒、鍵について聞き、彼はいいと言う。四十五秒、最初のボタンが外れ、彼女は待つ。一分十秒、エレベーターが鳴り、二人は笑う。止めていいと彼女が言う。彼はかぶりを振り、この一分を終えてからと言う。一分四十秒、靴が肘かけに乗り、やりすぎではないかともう一度聞く。彼はちょうどいいと言う。最後にボタンを二つ戻し、二分が終わった、灯は残して、人は帰っていい、と言う。

ボタンを戻したあと、スイは鍵を開け、デスクの灯を一夜残すかと聞く。マークは灯は残し、人は帰っていい、この一分は止めていいと言う。エレベーターがもう一度鳴る。清掃をこの灯の仲間には書かない。拍が約二分の中にあることを二人とも覚えている。天井灯はまだ半分だ。コーヒーはまだ冷たい。一緒にオフィスを出る。明日の予定に、今夜を事故とは書かない。

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