結婚記念日、カーテンを閉めたあと

【架空の成人小説。登場人物は全員25歳以上の成人】

カーテンは閉まりきる前に止まった。記念日の茶はテーブルの上で、まだ茶のままだ。

彼女は三十七歳、僕は三十九歳で、結婚して十二年になる。この夜、家には二人しかいなかった。彼女は隙間を残した。真っ暗が怖い。灯は残して、と言った。

コップは二つ、酒ではない。まっすぐ置いて、今夜は飲んだことを言い訳にしないで、と言った。私は飲んでいない。あなたも飲まないで。

飲んでいない。しらふだ、と僕は言った。

十二年もすると、問うのを省く夜がある。今日は省かない。この灯の下に残ってほしい。カレンダーに記念日が印刷されているからではない。カレンダーは、私の代わりに頷けない。望まないなら、茶を飲んで皿を洗う。罰はない。止まると言えば、一緒に止まる。確か?

残りたい。今日が記念日だからではない。望んでいるからだ。あなたも、嫌だと言っていい。止まりたいときは、一緒に止まる。同意している。

頷いて、灯の下で手を見た。いい? いい。ここは? いい。明日にすると言うなら、止まる? 止まる。それから額を肩に預けた。

灯は消さない。カーテンの隙間で、街灯は細い川に見えた。キスしていい? いい。手は腰に置いていい? いい。少しして彼女が、止まる、と言った。すぐ止まった。不機嫌ではない。きれいに止まれるから、次の望むを信じられる、と言った。

そのあとのことは誰にも話さない。灯は同じ明るさ。耳の先は赤く、言葉は平易なままだ。終わるとき髪を耳にかけ、記念日の朝に卵を焼く人の顔に戻る。寄りかかって言う。来年も欲しいなら、また聞く。今年の返事は、来年へ自動では続かない。

わかった。

翌朝、茶はまだあった。カーテンを半分開け、昨夜を習慣と言ってしまうのが怖い? 怖い。怖くていい。怖いは、止まりたいと同じではない。止まりたいなら、今言っていい。

今日は止まらない。来年も、やはり聞く。

短く笑った。指輪は指のまま、外していない。ここは私たちの家。三十九歳と三十七歳が頷いてから、灯は数に入る。このカーテンを、誰かが代わりに引いたわけではない。

その週は普通に働いた。食卓でカーテンの話は出ない。三十九歳だ。一つの望むに、観客はいらない。水曜、磁器のコップを洗い、洗いすぎた気がして、元の場所へ戻した。普通のコップに見えるように。カーテンは閉めかけ、半分で止めた。真っ暗が怖く、あの隙間にも慣れている。

木曜の夜、ソファの彼女が座った側に灯を残し、同じ三つを聞いた。まだ望む? 手はいい? 止まるときは一緒に止まる?

三つとも、いい、と答えた。

声はドアの外に出さない。僕が先に止まる、と言った。自分の家でもその言葉が効くか確かめたかった。彼女も止まり、ぬるい水を二つ淹れた。飲み終えて、まだ望んでいる、と言った。じゃあ聞き直す。聞き終えてから、また近づいた。

今度はもっと遅い。ソファの肘に座り、爪先で絨毯を確かめる。まだ自分たちの床か、と言うように。襟元は、このままでいい? いい。隣がノックしたら止まる? 止まる。先に開けて、ここに住む人の顔を見せる。頷いた。ノックは来なかった。止まる可能性を、ドアの脇に使わず残した。

朝、卵を焼いた。塩はいつもより少ない。少ないのは合図ではない。塩の瓶が少し空なだけ。僕は笑った。手をテーブルの縁に置き、押し付けない。今夜が食事だけなら、がっかりする? しない。食事も、望む場所で止まることだ。

頷いた。灯は消していい。カーテンの隙間は、次に閉めるか残すか、また決める。

瓶の花から、花びらが一枚テーブルに落ちていた。本には挟まない。掌に掃き、翌日の掃除で埃と一緒に出す。ソファに残していいものと、集めてはいけないものがある。僕は三十九歳、彼女は三十七歳。十二年はすでに歩いた道で、まだ返していない鍵ではない。灯がまたつくなら、二人とももう一度頷いたあとだけにつく。

金曜の夜は麺だけだった。スープを吹いてから聞く。昨日の三文はまだ有効? 有効だ。じゃあもう一度聞く。一日で返事は変わる。まだ残ってほしい? ほしい。嫌だと言っていい。罰はない。皿を洗って、それぞれの本を読む。皿だけにはしたくない。残ってほしい。皿だけがいいなら、皿だけにする。

灯の下でもう一度手を見る。いい? いい。ここは? いい。ベルが鳴ったら止まる? 止まる。頷いてから、額を寄せた。カーテンの隙間はそのまま。外で屋台を畳む音、鉄板が二度。見には出なかった。

あとはやはり話さない。フィラメントが小さく鳴る。息が遅くなると、部屋にはそれだけが残る。今日疲れたかとは聞かない。記念日も、もう一度は出さない。止めるときは彼女が先に言う。僕も止まる。襟を直し、鏡を見る。僕ではなく、塩の瓶を元に戻せる人にまだ見えるかを見る。

夜、少し雨が降った。隙間の街灯が雨に割れる。やかんを洗い、コップを二つ並べ、片方を少しずらした。誰も頼んでいない誓いのように見えないように。彼女はそれを見て、その隙間でいい、と言った。近すぎると、問いを省いたように見える。

土曜の朝、花が届いた。カードには店の名だけ。カードを抜いて見せ、これは自分で頼んだ。誰かのサプライズではない。サプライズは、相手の代わりに頷くことに似すぎる。僕は笑った。花は古い束の隣。どちらも普通だ。普通でいい。

日曜、灯はまたついていた。コートを椅子にかけてから、すぐには近づかない。三十七歳。あなたは三十九歳。結婚十二年で、しらふだ。今夜はここまで座っているだけでもいい。近づいてほしい? ほしい。残ってほしい? ほしい。止まると言えば止まる? いい。

三つを聞き終えてから座った。ばねが小さく一度鳴る。残りの言葉は息に任せる。灯は消えない。隙間も残る。十二年は、どの一文を省く理由にも使わなかった。

茶は冷えた。足さない。冷えた茶は、時間が過ぎた証拠で、誰かが誰かに借りがある証拠ではない。コップはテーブルに残す。次の夜も近づきたいなら、また三つの問いを聞く。聞くまでは、カーテンの隙間を先に残しておける。

あとで寄りかかり、髪を耳にかけた。明日、塩を買う。塩は明日の用事。今夜、明日の夕食がどうなるかは約束しない。わかった。塩は明日。灯は今夜消さない。消してと言うまでは。まだ消さないで。消す灯は、別に一度聞く。スイッチには触らなかった。

雨がやむと、通りで誰かが傘を畳んだ。しばらく聞いて、普通の音だ、と言った。普通だと安心する。三十七歳で、記念日を二人だけの暗号にはしたくない。三十九歳のあなたも普通がいいなら、普通のままにする。普通がいい。普通の中でも、問う。それでいい、と彼女は言った。

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